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田中千足のコラム 第3回

メダカ君、襲撃される


まずご覧ください。無残なメダカ飼育鉢の姿を。右側の金魚のいる大きな甕は大きな被害を受けていません。左の棚の下の二つの鉢に異変が起こっているのです。右の鉢の水はほとんどありません。そしてその水の色たるやとんでもないほど黄緑色に濁っています。しかもその前にホテイアオイが散乱しています。何者かが鉢の水をかき混ぜ、メダカをおおかた食べ、挙句の果てにほとんど水が飛び出すほど鉢をひっくり返したに違いありません。メダカは3匹だけ残っていました。

その左側の鉢は中の水をかき混ぜただけのようで、幸いほとんどのメダカ君たちは襲撃を免れたようです。ところが水は嫌な色に濁り、襲撃者の毒素が混入したのか襲撃を受けたそのことがストレスだったのか、メダカ君たちはその後どんどん数を減らしました。

メダカ鉢はここ以外にも何カ所かおいています。ほかのところでも目立たないけれど被害に遭っています。庭の塀際においている鉢には、隣の結構重い徳利型の鉢が寄りかかっています。ここにはメダカはいないのにいるかと思って襲ったのでしょう。そして右隣の鉢は水がやや乳白色に濁り、ホテイアオイはひっくり返っています。やはり襲撃の爪痕です。メダカ君たちの数は明らかに減っており、もっとまずいことにどんどん減っていくのは続きました。凄いストレスだったんですね。

 さあところでこの襲撃者は何者でしょう。何年も前からメダカを狙うものがいることには気づいていました。第一にネコを疑っていました。カラスかなとも思いました。ヒヨドリやスズメがひょっとしてとも思いました。でも疑ったどの動物をこんな大きな鉢をひっくり返すことはできません。

野菜の産直販売のついでにメダカも売っているおじさんに被害の様子を話しました。おじさんの答えは明快でした。それはアライグマですよ。確かに回覧板で「アライグマにご注意!!」が回ってきていました。アライグマについては次回詳しくお話しします。




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