田中精神科医オフィスの表紙へ

田中千足のコラム 第6回

メダカ飼育は継続あるのみ


アライグマ捕獲器の借用を先延ばしにしたが、防御体制をもう少し上げることでメダカ君たちを守ろうと考えた。

完全なアライグマ対策は鉢の開口部を丈夫な金網で覆い固定することが考えられる。繁殖させるためのメダカの飼育ならこれでいいが、飼育と鑑賞を目的にしている者にはこれは向かない。金網の隙間からメダカは十分観察できるだろうと思えそうだが、そうはいかない。

オートフォーカスで写すようと金網ばかりが鮮明に映り、少し遠くにいる、メダカはピンボケにしか映らない。人の目でもそうだ。カメラでは金網の間から見えるメダカにピントを合わせることで、メダカの鮮明な像が映せるように、私たちも金網の間のメダカに焦点を当て直してメダカの像を得るのだ。

われわれの眼、網膜、視神経、後頭葉の視覚野からなる視覚認識システムはカメラなんかよりはるかに性能がよく、金網からその向こうのメダカへの焦点合わせはその気になれば瞬時にやれるのだが、これとてもじっとしているメダカならできることである。動き回るメダカを鮮明な像で追い続けることはできないのだ。

鉢にはホテイアオイを入れているが、これまたメダカを見るのに邪魔をする。野外で飼育する場合、水はどんどん濁っていくし、固定した金網が邪魔をして、汚れを取り除くことも、水を入れ替えることもできない。

ホテイアオイはメダカの産卵場所として必須なのだが、孵化させるためには卵の付いたホテイアオイを水深の浅い孵化用水槽に移してやらないといけない。そうしないと孵化した針子メダカは成魚メダカに食われてしまう。固定した金網だとこれもできないのだ。

飼育に適した防御策は

1.      金網あるいはそれに類する格子状のものを蓋にする。

2.      大雨による溢水予防のため木製の蓋もする

3.      アライグマでは取り除けない程度の重石・レンガを載せる。

4.      鉢が棚に乗っている場合、前面・側面にスダレを吊るす

5.      スダレの下部はレンガの重石を乗せておく

ということになっている。


 ラティスを可変式につけた飼育鉢。雨降りの時は2枚の木の蓋をする。夜間は左下の重いレンガをのせる。
 
 4つの鉢を棚にのせている場合。可変式ラティスを開けて餌をやり、鉢の清掃もする。夜間は右側にある正方形の板を鉢に乗せ、赤いレンガを乗せた後、上部に見えるスダレを下ろし、レンガを敷きならべてアライグマの侵入を防止する。もちろんスダレも全面に垂らし、下に重石をのせる。




「エッセイ」に戻る