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就任のご挨拶

本年41日より施設管理者として就任しています。前任の川上克彦先生から強い信頼をいただき、就任させていただくことになりました。

 平成103月、阪急箕面駅前に田中メンタルクリニックを開業し、延べ人数40万人を超える患者さんを診てきました。

 精神科医はただ心だけを診ればいいというものではありません。身体状況はどうなのか、その方の生活環境はどうなのかも常に正しく把握しておかなければなりません。通院しておられた患者さんが老健施設を利用するようになられた時には、新たな環境にふさわしい治療を提供し、患者さんが介護する人の処遇、病院か老健かあるいは在宅かと悩んでおられる時には一緒に検討するということをしてきました。

 外から見た老健というものを一応知っているつもりですが、やはりあくまで外から見たものにすぎません。通過点として老健をみなしていたことになります。

老健に入所している100人の人にとって老健は生活の場そのものです。もちろん通過点として在宅に戻ることを目指すのですが、高齢者にとってはそこまでの機能回復、日常生活活動能力の回復を図ることは容易なことではありません。ゆっくり忍び寄る心身の衰え、持病との長い付き合いをしていきながら、100人の人それぞれがその人らしさを保ちつつ、忘れていたかつての自分の輝きを思い出しあるいは新たな喜びさえ見つけることできる生活の場を提供できればいいなあと考えています。

 医師一人の力は微々たるものです。看護、栄養管理、介護、リハビリ、支援相談、ケアマネージ、さらにはこれらを支える事務局のすべての人たちがオール老健として働いて下さってできるものです。ここで職員の皆様に施設管理者として一緒に頑張りましょうとお願い申します。

 デイケア、在宅支援も大きな柱の一つです。ご本人・ご家族の希望の在宅生活の継続を図るべく、担当の職員の皆様と一緒に頑張るつもりです。 


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